相続コラムvol.80「遺産が未分割で納税できない場合」
相続税申告は、期限が10ヶ月後ということもあり、弊社では常に15-20件ほどの未完了の申告を進捗を確認しながら行っております。
その中でも遺産分割協議がうまくまとまらず、争いになっているケース、争いまでにはなっていないが、各相続人がご納得されずに、遺産分割協議書への押印が出来ないケースなどありますが、全体の約25-30%は遺産分割がそう簡単にはまとまりません。
昔のようにご長男が全て相続するというのは、本当に珍しくなってきています。
ご長男が跡をついで、ご両親の面倒を見て、墓を守っていても他の相続人から権利を主張されます。
法律上そうなっておりますので当然とも言えますが、みんなが平等で、納得するのは仲良し家族でないと、なかなか難しいです。
遺産分割が未了ですと、預金の解約手続きもできません。
申告期限までに納税できないというケースも出てきます。
そのような場合はどうするのでしょうか。
*まず、納税できないと、税務署から督促状が発送されます。(納税額が大きい場合には管轄が税務署から国税局になります。)
*その後、滞納状態の納税義務者に対して、納付の見通しのヒアリングや今後の徴収業務の流れ等の説明がなされます。
(相続税は連帯納付義務があるため、他の相続人に未納額を納めるよう連絡をする旨も伝えられます。)
*そして支払いができない場合には、財産が差し押さえられます。
実務では、多額の預金が財産にある場合、事前に税務署等と相談の上、申告期限後すぐに督促状を発送してもらい、10日経過後に預金を差し押さえてもらうということも可能です。この方法を採ることにより納税自体は完了し、延滞税が高額になるのを防ぐことができます。
相続税は納税額が大きい場合、数億を超えることも多々あります。
その延滞税を考えますと、このような形をとることになります。
未分割がご心配な方はお早めにご相談ください
この記事を担当した税理士
税理士法人葵パートナーズ
代表社員税理士
花田 直子
- 保有資格
税理士
- 経歴
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2002年に税理士試験合格。
2011年より税理士法人葵パートナーズの代表社員税理士を務める。
相続の相談件数1,800件以上の経験から相続税を中心とした相続に関する悩みを抱えている相談者からの信頼も厚い。
- 2024年7月25日「一度相談に行ってみてください。親切に教えてくださいます」
- ご相談内容:相続手続き 満足度:とても満足 1.当事務所にご相談にいらしたきっかけを教えてください。 昨年、安島事務所から紹介されて、今回もお願いしました。 2.当事務所のサービスを受けた感想…
- 2024年5月15日「手際よく対応してくださいました」
- ご相談内容:相続税申告 満足度:満足 1.当事務所にご相談にいらしたきっかけを教えてください。 司法書士さんの紹介です。 2.当事務所のサービスを受けた感想はいかがでしたか? 手際よく対応し…
- 2024年3月25日「親切で話しやすく合理的」
- ご相談内容: 満足度:とても満足 1.当事務所にご相談にいらしたきっかけを教えてください。 相続の相談でパソコンで検索して決めました。 2.当事務所のサービスを受けた感想はいかがでしたか? …
- 2023年8月24日「丁寧な仕事で感謝しています。」
- ご相談内容:相続税申告、相続手続き 満足度:とても満足 1.当事務所にご相談にいらしたきっかけを教えてください。 司法書士さんの紹介 2.当事務所のサービスを受けた感想はいかがでしたか? 丁…