相続コラムvol.49「空き家の譲渡所得税3000万円の特別控除」
相続により空き家になった不動産について、相続人が一定の要件を満たして売却した場合には譲渡所得(利益)から3000万円を控除することができる制度です。税金がかからない場合も多いので、ぜひ利用したいものです。
ただし、要件が非常に厳しいため、事前に注意深く確認が必要です
相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等を、特定の期間内に売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3000万円まで控除することができます。
これらを条文で掲げると、まず間違いなく読めないですし、読みたくないと思います。それほど細かく、ごちゃごちゃ書いてあります。
とても簡単に述べますと
- ・昭和56年5月31日以前に建てられた戸建てを、
- ・相続で取得した相続人が、
- ・相続発生から3年以内に、
- ・1億円以下で、
- ・近しい親族関係以外の第三者に対して、
- ・建物を解体して更地にして売却をした場合。
- ・ただし、被相続人が一人で住んでいて、相続によって空き家になったことが要件になる。
この特別控除を使うためには実務上は建物を解体して更地にしてから売却することが必須になってきます。
正確に言えば、耐震基準を満たすことができれば建物解体をすることなく、特別控除を使うことができるのですが、昭和56年以前に建てられた建物をどうやって耐震基準に満たせというのでしょうか?普通は無理です。
不可能ではありませんが、そんな古屋をなおして耐震基準に適合させるくらいなら、建物を解体して更地にして売却させてしまった方が早いですし、合理的です。普通は買主もそんな古い建物はいりませんから、更地にして土地だけほしいと考えるでしょう。
建物を解体してから売却するということは、空き家の特別控除を適用させるために必須要件と考えても差し支えないでしょう。
【最初の確認】
弊社では何件も空き家特例の申告を行っておりますが、まずご相談いただいたあと、要件に適合しそうな場合には、まず市役所に証明書を出してもらうため、役所への確認作業からスタートさせます。
また、売却前にご相談いただけますと、取り壊したほうが良いか、耐震工事をするのか、考えることが出来ます。これまでのケースでは、売却後にご相談にいらっしゃったため、取り壊しが出来ず、耐震も確認ができなくなり3000万控除の適用を諦められたケースもございます。
不動産屋さん、税理士、市役所などまずは最初にご相談いただくのが一番良いです。
該当しそうな方は、お気軽にご相談ください!
この記事を担当した税理士
税理士法人葵パートナーズ
代表社員税理士
花田 直子
- 保有資格
税理士
- 経歴
-
2002年に税理士試験合格。
2011年より税理士法人葵パートナーズの代表社員税理士を務める。
相続の相談件数1,800件以上の経験から相続税を中心とした相続に関する悩みを抱えている相談者からの信頼も厚い。
- 2024年7月25日「一度相談に行ってみてください。親切に教えてくださいます」
- ご相談内容:相続手続き 満足度:とても満足 1.当事務所にご相談にいらしたきっかけを教えてください。 昨年、安島事務所から紹介されて、今回もお願いしました。 2.当事務所のサービスを受けた感想…
- 2024年5月15日「手際よく対応してくださいました」
- ご相談内容:相続税申告 満足度:満足 1.当事務所にご相談にいらしたきっかけを教えてください。 司法書士さんの紹介です。 2.当事務所のサービスを受けた感想はいかがでしたか? 手際よく対応し…
- 2024年3月25日「親切で話しやすく合理的」
- ご相談内容: 満足度:とても満足 1.当事務所にご相談にいらしたきっかけを教えてください。 相続の相談でパソコンで検索して決めました。 2.当事務所のサービスを受けた感想はいかがでしたか? …
- 2023年8月24日「丁寧な仕事で感謝しています。」
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