相続コラムvol.28「相続税対策はいつから始めたらいいでしょう?」
「相続税対策はまだやらなくていい」というお言葉を耳にすることがあります。
多くの方が、相続はまだずっと先。なんとかなるさ、と思っておられます。
たしかに先のことを考えすぎても、どうなるかわかりませんし、なにも対策を行わなくても問題なく相続税を納めることができたり遺産分割も滞りなく行えるかもしれません。
しかし相続税対策の中には早めに実行したり時間を掛けて実行するからこそ効果があるものも少なくありません。その中でも、長年をかけることによって非常に大きな効果を生み出すものがあります。
生前贈与です。
実はお金持ちの方(相続税額が多い方)は、長年かけて実行されているケースがすくなくありません。
年間110万円までは基礎控除として贈与税はかかりません。 数年かけて何度も基礎控除内で贈与したり、想定相続税率が高い方なら贈与税率10%程度で少し贈与税を払いながらの贈与を何度か行うのも効果的です。 たったの100万円か、長年かけるのは面倒だなと思われるかもしれませんが、何度も行ってさらに複数の者に贈与すれば、かなり大きな効果が見込めます。
また相続税対策を実行するには意思能力の問題も重要です。近年は認知症を発症される方が多く、その段階になりますと一切の相続税対策が行えなくなる可能性が出てきます。
認知症になりますと生前贈与や遺言書を作ることや、アパートを建てたり土地を売却する契約も不可能になります。
財産を減らす行為が法的に不可能になるのです。認知症を隠して行ってしまえば後に大きな問題となり、無効となるケースもあります。
また、生前贈与の場合には相続税の3年加算のルールも考慮する必要があります。
相続発生直前の3年以内に相続人に対して行われた贈与については、その贈与財産を相続税の対象となる財産に加えて計算をしなければなりません。 相続発生の直前にあわてて贈与をしたところで相続税対策としての効果はほぼ期待できないのです。
(税務調査でも死因を必ず聞かれます。例えばガンにかかって、余命宣告されているケースですと、慌てて財産を移転させる事が多いため狙われます。直前の財産を減らすことは非常に難しくなります)
これらのことから、相続税対策は早め早めにじっくり時間を掛けて行うのが理想です。
早いということはありませんので、ぜひとも専門家にご相談ください。
この記事を担当した税理士
税理士法人葵パートナーズ
代表社員税理士
花田 直子
- 保有資格
税理士
- 経歴
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2002年に税理士試験合格。
2011年より税理士法人葵パートナーズの代表社員税理士を務める。
相続の相談件数1,800件以上の経験から相続税を中心とした相続に関する悩みを抱えている相談者からの信頼も厚い。
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